研究論文

FPP(パパイヤ発酵食品)の経口摂取は2型糖尿病患者の自然免疫細胞の呼吸バースト機能を調整するか?

FILE2015

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Does oral supplementation of a fermented papaya preparation correct respiratory burst function of innate immune cells in type 2 diabetes mellitus patients?

Antioxid Redox Signal. 22(4):339-345, 2015

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FPPは、抗酸化物質として知られる栄養補助食品であり、活性酸素種 (ROS)、すなわち「bad ROS」を除去する一方、『呼吸バースト』に必要な「good ROS」の産生を誘導することが報告されている。 

2型糖尿病患者の高血糖状態に対するFPPの効果を調べるにあたり、FPP (9 g / 日、6週間) の経口投与の安全性を調査した。末梢血の採取はベースライン時とFPP摂取中および摂取終了後に行われた。誘導された『呼吸バースト』のROS産生を測るため、空腹時血糖に加え、脂質プロファイル、糖化ヘモグロビン(HbA1c値)、および脂質 / タンパク質の過酸化反応を、各来院時に測定した。FPPの経口摂取は、血液パラメータ等の結果には影響を与えないが、末梢血単核細胞の『呼吸バースト』を誘導した。ヒト単球性白血病細胞THP-1細胞は、糖を主成分とするFPPを与えた時に、細胞のATPおよびNADPH濃度が上昇したが、グルコースのみでは同様の効果は示されず、グルコースに依存しないFPPの成分が細胞のエネルギー増加をさせることが示唆された(図1)。また、FPPを与えたTHP-1細胞は、グルコースのみで処理した細胞と比較して、より高いミトコンドリア膜電位(Δψm)と、酸素消費を示した(図2)。

以上の我々の観察から、FPPは2型糖尿病患者の『呼吸バースト』を誘導する機能を改善する可能性をもつ食品であると考えられる。



図1:FPPによる細胞のATP及びNADPH産生の誘導および酸素消費量の上昇clinical_2015_AntioxidRedoxSignal.Fig1.jpg

図2:FPP処理された単球におけるミトコンドリア膜電位および酸素消費量の上昇clinical_2015_AntioxidRedoxSignal.Fig2.jpg

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