2019/07/19
飛鳥川と三水(みみず)川で水質の授業を行いました
7月12日、大野町立北小学校4年生の児童34名を対象に、3回目となる水質の授業を実施しました。
今回はバスで揖斐川町を流れる飛鳥川と大野町を流れる三水(みみず)川に移動し、今まで調べた学校近くの川と今回の2つの川で水質や生き物がどのように違うかを調査しました。
飛鳥川の調査場所は、北小学校から車で北に20分ほど行った山の中腹にあります。
先日までの降雨で水量が多いのに加え朝9時ごろと時間も早く、また標高が少し高くなっているためか、気温も24度と少し低め。水温も16.9度とプールよりも冷たい水でした。
まずはペットボトルに水を入れて観察すると、すぐに結露ができる様子が確認できました。
「冷たい!」「おいしい水の匂いがする」などの声が上がります。
水深がひざ下付近の場所で川に入り、タモや靴が流されないよう注意しながら水生生物を探したところ、トビゲラやヒラタカゲロウ、小さな魚が採れました。魚はおそらく「はぜ」の仲間と推測されます。
揖斐川町を流れる飛鳥川
転ばないように生き物を探します
ヒラタカゲロウが最も多く採れました
子どもたちが五感で調査した水のきれいさの点数は89点。大里研究所横の川や学校南側の川と比べても高い結果です。
生き物を分類すると、「きれいな水」に住む生き物が多いことがわかりました。
飛鳥川は「きれいな川」ということを確認し、バスで三水川に移動しました。
大野町役場横を流れる三水川の水は濁っており、泥のような匂いが確認できました。
「汚い!」「臭い!」子どもたちから正直な感想が飛び出します。
大人がバケツに水を汲み子どもたちと五感で水を調査した後、支流から三水川に合流する水門の部分で川底の様子を班ごとに観察しました。
川は増水しており、こちらは川の中に入ると流される危険があるため川べりから水生生物を採集しました。
タガメ、タニシ、ミズカマキリ、ドロエビなどたくさんの生き物が採集でき、中でもミズカマキリが最も多く採れました。五感で調査した結果、三水川は48点で、水に住む生き物から「やや汚い水」という結果になりました。
大野町役場横を流れる三水川
水の様子を観察
川底の様子を確認します
川べりからでもたくさんの生き物が採れました
最後に、水の「きれいさ」は難しい検査をしなくても、みんなが見たり触ったりするという五感でも測定ができ、水に棲む生き物とも整合性がとれたことを伝えました。前日まで雨が続いており、当日も雨予報でしたが、なんとか天候ももち無事授業を行うことができました。これも子どもたちのパワーのおかげではないでしょうか。
3回に渡り行われた水質の授業では、それぞれ水質の異なる川に行き、自分たちの目や鼻などを使って水の「きれいさ」を調べることや、生き物を採集することで、水の「きれいさ」により棲む生き物が違うことを実際に体験し学んでもらいました。その中で、ホタルのエサになるカワニナが、どの「きれいさ」の川に多く住んでいたかを学んだことにより、ホタルの住める環境を理解するよい機会になったのではないでしょうか。
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