2023/11/13
ホタルとともに
里山の小川再生プロジェクト
水田周辺の水路は、維持管理作業の軽減のため土水路がコンクリート化され、雑草を排除するために除草剤や防草シートが張られたりと、人間にとって便利になる一方で、水生生物の生息環境としては悪化しています。
大里研究所では、2009年より「ホタルの里づくりプロジェクト」の一環として、研究所西側を流れる水路周辺にて、環境のバロメーターとも呼ばれるゲンジボタルが棲みやすい環境を保全する活動を続けてきました。
水路周辺では、除草剤や防草シートを一切使わないのはもちろん、ホタルの生育に合わせたきめ細かい草の管理を行い、草の生育が良い夏の時期には水路脇の急斜面の草刈りを毎月実施しています。また、水路内の掃除をする際も、石や水草を全て取り除くのではなく、適量を残して自然の小河川に近い環境を整えてきました。
活動を始めた当初は、活動の意図が理解されない苦労があったり、ホタルの数もなかなか増えませんでしたが、地道に試行錯誤を重ねてきた結果、近年は100匹以上のホタルが飛翔する姿が見られるようになりました。
更に、最近、上流域に棲む数種類の小魚たちが水路内で多く見られるようになってきました。環境との調和に配慮した保全活動の成果が実り、小魚たちにも棲みよい環境が出来上がってきたのではないでしょうか。
このうれしい状況を糧にして、引き続きホタルをはじめ様々な生き物を大切にし、環境に配慮した活動を続けていきます。
夏の暑い時期にもスタッフが懸命に行う草刈の様子
生き物に配慮して行う川掃除の様子
近年たくさんのホタルが飛翔するようになった、大里研究所西側の水路
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