研究論文

ミュータンス連鎖球菌、ストレプトコッカス・ミティス、アシドフィルス菌の増殖、疎水性、酸産生に対するFPPの抑制効果: 糖尿病患者の口腔衛生改善における影響

FILE2013

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The inhibitory effect of a fermented papaya preparation on growth, hydrophobicity, and acid production of Streptococcus mutans, Streptococcus mitis, and Lactobacillus acidophilus: its implications in oral health improvement of diabetics

Food Science & Nutrition. 1(6):416-421, 2013

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パパイヤ発酵食品(FPP)は、〝自然由来の健康食品″である。糖尿病患者に虫歯、歯肉炎、歯周炎、口腔細菌感染の発生率が高いことは、一般的によく知られている。この原因としては、栄養摂取不足、口腔細菌叢に対する宿主応答の変化、好中球機能障害、食作用および白血球走化性の減少などが考えられている。口腔内の血清炎症性サイトカインの分泌は、高血糖を誘発し、最終的にはインスリン抵抗性を引き起こし、間接的に膵臓β細胞の破壊の一因となる。

ヒトの口腔から分離された一般的な口腔微生物叢(ミュータンス連鎖球菌/ S. mutans、ストレプトコッカス・ミティス/ S. mitis、アシドフィルス菌/ L. acidophilus)に対するFPPの潜在的効果を、歯垢および虫歯のin vitroのシミュレーションモデルを使って試験した。

FPPは、試験した微生物叢において増殖、酸産生、疎水性の抑制効果を示した(増殖は0.05 mg/mL で S. mutans:-6.9%、S. mitis:-4.47% (P < 0.05)(図1)、酸産生は0.05 mg/m Lで S. mutans:+6.38%、L. acidophilus:+2.25%(図2)、疎水性は50 mg/mLで S. mutans:1.01% (P < 0.01)、S. mitis:7.66%(P < 0.05)(図3)であった)。本研究の結果から、低用量のFPPが虫歯、歯垢、歯肉炎の効果的な予防のための口腔衛生の手法となる可能性が示唆される。バランスのとれた食事と活動的な生活の一助としてのFPPの機能の応用は、糖尿病患者の口腔内の健康状態に積極的に貢献できる可能性がある。


図1:S. mutans、S. mitis、L. acidophilusの増殖に対するFPPの効果
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図2:S. mutans、S. mitis、L. acidophilusの酸生産に 対するFPPの効果 FoodScienceNutrition.2013.2.gif

図3:S. mutans、S. mitis、L. acidophilusの細胞表面疎水性に 対するFPPの効果
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