研究論文
Fermented Papaya Preparation (FPP) の酸化防止剤効果は、 鉄キレート化に関与する
The antioxidant effect of fermented papaya preparation involves iron chelation.
J Biol Regul Homeost Agents.26(2):203-210,2012
鉄過剰症は様々な疾病において主だった臨床病状である。この症状のもとでは、トランスフェリンの結合能力を上回る血清鉄が非トランスフェリン結合鉄(NTBI)として存在し、細胞内の非結合で不安定な鉄の貯留(LIP)が増加する。LIP は活性酸素種(ROS)を含むフリーラジカルの生成に関与する。
酸化剤の減少に伴うROSの増加は、酸化ストレスと肝臓、心臓、他の臓器に対する毒性をもたらし、深刻な病状や最終的には死亡へつながる。鉄キレート療法によるLIPの減少は、酸化ストレスによって媒介される毒性を改善する。多くの食物由来抗酸化物質は、ROS除去と鉄キレートの能力を持つ。
我々はパパイヤ発酵食品(FPP)がin vitroとin vivo(タラセミア患者と実験動物)で血液細胞においてROS除去の機能を持つことを発表してきた。
今回我々はFPPの鉄キレート作用-それによるLIPの蓄積を予防(またはそれに伴う回復)する能力を研究した。肝臓と心臓由来の細胞、また赤血球などはNTBIを硫酸第一鉄アンモニウムという形で作用させ、LIP含有量とROSの発生に対してのFPPの効果は、フローサイトメトリーにより測定した。
結果は、FPPがLIPとROSを減少させることを示し、FPPの抗酸化メカニズムの少なくとも一部は、鉄キレート作用に関与しているものと示唆される。
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