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2022/01/25お知らせ
ウイルスの上気道への侵入を防ぐ為にFPPにできること
〜唾液に含まれるIgAで感染症を予防〜
免疫というと、体内に侵入した細菌やウイルスなどの外敵と戦う力である「全身免疫」のイメージを持つ人が多いかもしれません。
身体には、これとは別に「粘膜免疫」と呼ばれるシステムがあり、私たちの目や鼻、口などの粘膜から細菌やウイルスなどが体内に侵入するのを防ぐ働きをしています。最前線で防御の役割を果たす粘膜免疫の機能を充分に保つことは、感染制御において重要な役割を担っています。
「粘膜免疫」で重要な働きをするのが、免疫グロブリンAという抗体でIgAとも呼ばれ、IgGに次いで2番目に多く全身の粘膜に存在しています。IgAは粘膜表面で口内に侵入してきた病原体や毒素に結合し、それらの機能を無効化することによって、私たちの身体を侵入者から守っています。生まれたばかりの赤ちゃんは分泌型IgAをつくることができませんが、母乳中の分泌型IgAによって感染症から守られています。このIgAは20〜30代をピークに加齢と共に低下し、意外なことに、激しいスポーツをする人や、強いストレスを受けている人でもIgAの産生が低くなる報告があります。ウイルス感染から体を守る粘膜免疫の主役であるIgAの分泌を適切に保つことは、外敵の侵入を防ぐのにとても重要です。その方法の一つとして、FPPを摂取することにより唾液中のIgA産生を増強する効果を明らかにした論文を下記にご紹介します。
Evidence of FPP Marotta F, Naito Y, Jain S, Lorenzetti A, Soresi V, Carrera Bastos P, Tomella C, Yadav H |
急性呼吸器疾患とは、一般的な季節性の"風邪"等を含む呼吸器感染症です。この研究では、90人の健康な人を年齢別に20〜40歳、41〜65歳、65歳以上の3つのグループに分け、IgAに対するFPPの効果を試験しました。6週間、被験者は1日9g(4.5g x 2回)のFPP、またはプラセボ(研究対象の成分は含まないが見た目は同じ疑似物質)を摂取し、その後1ヶ月間摂取しない期間を置いて、次の6週間、FPPとプラセボの摂取を入れ替えるクロスオーバー法で検証しました。
6週間後、どの年齢層のグループにおいても、FPPを摂取することで唾液中の分泌型IgAが増加することがわかりました。特に、試験開始時に、3グループの中で非常にIgAの値が低かった65歳以上のグループでは、6週間後には約2倍になり、20〜40歳のグループとほぼ同様の値まで増加しました。結果は、FPPを摂取することで若い世代に加えて、高齢者でも粘膜免疫の機能が高まり、感染症に対するバリア機能が増強され、健康維持に役立つことが明らかになりました。