研究論文
FPP®(パパイヤ発酵食品)による2年間にわたる二重盲検試験の最新結果:
健康な中高齢者における好中球/リンパ球比(NLR)
Neutrophil-lymphocyte ratio and update conclusions from a 2-year double-blind rct testing fermented papaya preparation in healthy middle-aged / elderly subjects
Functional Foods Science 2024; 4(1): 29-41
背景: FPP®または抗酸化サプリメント混合剤(トランスレスベラトロール200mg、センテラアジアチカエキス100mg、ユビキノール80mg、エピガロカテキンガレート50mg、アントシアニジン20mg、亜鉛5mg、ビタミンE200IU含有)を摂取する健康な中高齢者において、2年間にわたり効果を比較検証した介入研究の第2部である。FPP®は、レドックスおよび免疫調整作用を有することが12年以上にわたり基礎・臨床研究結果から裏付けられているため本試験に用いた。本研究は、加齢関連の主要な免疫系の指標に対するFPP®の潜在的な有効性について24ヶ月間調査することを目的とする。
方法: 58-76歳の臨床的に安定した健康な男女98名を2群に分け二重盲検法を実施した(被験者106名のうち離脱8名)。 FPP群は、FPP® (4.5g/包)を1日2回に加えて、朝にプラセボを1カプセル摂取した。抗酸化サプリ群はパパイヤ風味のプラセボを1日2回に加えて、朝に抗酸化サプリメント混合剤を1錠摂取した。朝に採血を実施し、ジメチルアルギニン(ADMA)、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)のアポトーシス頻度、好中球/リンパ球比(NLR)の24ヶ月間にわたる経時的変化を評価した。
結果: 1年目終了時の中間報告書と比較し、過体重の被験者が有意に増加を認め、より包括的な分析が可能となった(BMI: 25≦29.9kg/m2, n = 58vs.31, P<0.05)。24ヵ月時のNLR値は、抗酸化サプリ群において有意に増加したが、FPP群では安定していた(P<0.05 vs.開始時およびFPP群)。尿中8-OHdGは、両群ともBMI 27以上または70歳以上の被験者において有意に減少した(P<0.05 vs.70歳未満)。24ヵ月間を通して、FPP群でのみADMAとPBMCのアポトーシス頻度が有意に減少した(P<0.05 vs.開始時および抗酸化サプリ群)。また、FPP群はNLR値とPBMCのアポトーシス頻度に有意な相関を認め、これはBMI>27または70歳以上においてより顕著であった。
結論:NLR高値は、慢性炎症を示し免疫老化の要因となることが報告されている。FPP®は、抗酸化サプリメントと比較し、医薬品グレードな品質かつ技術的にも優位性を有することが特筆すべき点である。また、FPP®は、酸化・炎症性老化の臨床像およびNLR値に効果があり、中高齢者ヘルスケアでの予防的介入の可能性において注目すべき指標と考えられる。