研究論文
ホルモン補充療法を受けている閉経期の女性のリーキーガットおよび
食後のレドックス状態、炎症状態に対する医薬品グレードの
FPP(パパイヤ発酵食品)の利点
Leaky Gut and Post-Prandial, Redox and Inflammatory Markers in HRT Treated Menopausal Females: Benefits by a Pharma-Grade Fermented Papaya Preparation (FPP-ORI)
Clin Pharmacol Biopharm 9(2):193; 2020
本研究の目的は、ホルモン補充療法(HRT)を受けている閉経期の女性の腸透過性、レドックス・システムおよび免疫システムの調整に対する、エビデンスに基づく機能性食品(FPP)の効果について試験することである。
対象は、HRTを受けている74名の閉経後の女性で、年齢・更年期診断の期間・BMI・食事摂取量・身体活動が一致するように2つのグループに分け、グループAはHRTのみとし、グループB はHRTに加えFPP 4.5 gを1日2回摂取させた。試験期間は6か月とし、25人の何も治療しない閉経期女性(グループC)をコントロール群とした。両グループには、試験開始日、3ヶ月目、6ヶ月目の観察日に、朝食として高脂肪試験食を摂取させた。その際、血液サンプルを採取し、赤血球の抗酸化パラメーター、酸化LDL/β2-グリコプロテインI(oxLDL / b2GPI)、インターロイキン6(IL-6)、リポ多糖(LPS)を測定した。
グループAでは、グループCと比較して、MDAおよびレドックス・パラメーター濃度に有意な変化はなかった。ただし、BMI値が 24未満の被験者では、HRT治療は有意なMDAの改善への関連を示したが、他のレドックス・パラメーター(GPx、SOD1、CAT)では示されなかった。 FPPの摂取により、BMI値に関係なく、6ヶ月目にすべてのレドックス・パラメーターの有意な改善が見られた(p <0.01)。グループAの血漿oxLDL / b2GPIは異常に高かった(2時間後と4時間後の値 vs ベースライン、p <0.05)。FPPの摂取は、このパラメーターを有意に正常化した(p <0.05 vsチャレンジ食後のグループA)。LPSとIL-6は、グループAで時間経過とともに顕著な増加を示した。一方、この現象はグループBでは改善された(p <0.01)。
エビデンスに基づくFPPによる治療の結果を総合すると、閉経期の女性の健康増進と疾患予防、すなわち神経保護戦略における有効な機会を提供できる可能性がある。
図1: マロンジアルデヒド (MDA)
*p> 0.05 vs すべての被験者群およびvsグループCとグループA(全体およびBMI27以上)
図2: グルタチオンペルオキシダーゼ (Gpx)
*p> 0.05 vs すべての被験者群およびvsグループCとグループA
図3: 酸化LDL/β2-グリコプロテインI (6ヶ月目の高脂肪食摂取後)
§ p>0.01 vs試験開始時
*p<0.01 vs.グループAとC **p<0.05vs. グループAとC
#p<0.05 vs.グループCとB BMIに関わらず全てのグループ
図4: IL-6の変化(6ヶ月目の高脂肪食摂取後)
§p<0.05 vs試験開始時 #<0.01 vs. BMI>27のグループAとC
*p<0.05 vs BMIに関わらず全てのグループ