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研究論文・研究成果
2021/06/09研究論文・研究成果
神経変性疾患の予防につながる可能性
閉経後のミトコンドリアおよびレドックス機能障害について
新たな論文が発表されました
閉経期の女性は、酸化ストレスが増加し、抗酸化能が低下する可能性があり、このことはニューロステロイドの減少とともに、アルツハイマー病の危険因子と言われています。
Francesco Marotta教授による、閉経後の女性におけるレドックスおよびミトコンドリア機能に対してFPPが与える影響を検証した論文「神経変性疾患のリスク要因としての閉経後のミトコンドリアおよびレドックス機能障害:日本の機能性食品の効果検証に向けたパイロット研究」がJ Biol Regul Homeost Agents.に掲載されました。
本研究により、閉経後に起こるレドックスおよびミトコンドリア機能障害において、高用量の抗酸化剤の摂取ではほとんど変化がなかったのに対し、FPP摂取では顕著な改善が確認され、FPPが閉経期に関連する神経変性疾患の予防につながる可能性が示唆されました。
FPPは2018年9月に、特許第6401792号「ATP産生促進剤 及び ミトコンドリア活性促進剤 並びに 免疫賦活剤」として日本国特許庁により登録されました。
本特許取得の根拠となった、米国のチャンダン・K・セン教授らの研究グループが2015年にAntioxidants & Redox Signalingで発表した論文*『FPPの経口摂取は2型糖尿病患者の免疫細胞における呼吸バーストを改善するか?』では、FPPは糖尿病患者の免疫系を向上させること、並びに、FPPがミトコンドリアの呼吸を刺激し細胞のATP産生を促すことから細胞のエネルギーが増加、その結果免疫システムが活性化されるというメカニズムが世界で初めて確認されました。
今回のMarotta教授の研究では、ミトコンドリアに関する新たな知見が得られ、これまでのエビデンスをさらに強く補完する結果となりました。
■研究概要はこちら:
69人の治療を受けていない閉経後の女性を被験者とし、グループAはマルチビタミン※1 (MV) 1カプセルを1日2回、グループBはFPP 4.5 gを1日2回摂取しました。グループCはコントロール群として、閉経前の女性23人で構成されました。ベースライン時、および1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月目に、赤血球レドックスパラメータ、血漿酸化タンパク質、脳由来神経栄養因子 (BDNF)、末梢血単核球 (PBMC) のミトコンドリア内に存在するチトクロームcオキシダーゼ Vmax活性を測定したところ、閉経期の女性は閉経前の女性 (コントロール群) に比べ、マロンジアルデヒド (MDA) は増加していますが、ABいずれのグループでも正常化されました(表1)。
BMI≥26のグループAのサブグループではMVによるMDAの正常化は見られませんでした (p<0.05)。その他のレドックス酵素は全てFPP摂取によってのみ有意に増加しました。
明らかに減少していた閉経期の女性の血漿中のBDNFも、FPP摂取によってのみ有意に増加しました(図1)。また、カルボニルタンパク質レベルはBMI≥26のサブグループで高く (p<0.05)、FPPによってのみ減少しました (p<0.05)。クエン酸シンターゼ活性に対するPBMC シクロオキシゲナーゼ (COX / CS:ミトコンドリア存在量と関係) は、閉経期のグループで減少しており(<40%) (p<0.01)、FPP摂取でのみ有意に回復しました (p<0.05) (図2)。
※1:MV組成 (1カプセル中): ビタミンE 200 IU, レスベラトロール250mg, コエンザイムCoQ10 50mg, ザクロ抽出物100mg, αリポ酸100mg, セレン80mcg
表1:閉経後の女性におけるMVとFPP摂取による赤血球レドックスパラメータの経時変化
図1:閉経前の女性およびMV、FPPを摂取した閉経期の女性の血漿BDNFの経時変化
COX:シクロオキシゲナーゼ;CS:クエン酸シンターゼ
図2:年齢別に調整されたPBMCのCOX / CS比の経時測定
論文タイトル
MITOCHONDRIAL AND REDOX DYSFUNCTION IN POST-MENOPAUSE AS RISK FACTOR OF NEURODEGENERATIVE DISEASE: A PILOT STUDY TESTING THE ROLE OF A VALIDATED JAPANESE FUNCTIONAL FOOD
神経変性疾患のリスク要因としての
閉経後のミトコンドリアおよびレドックス機能障害:
日本の機能性食品の効果検証に向けたパイロット研究
J Biol Regul Homeost Agents.掲載
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2018年9月
「ATP産生促進剤 及び ミトコンドリア活性促進剤 並びに 免疫賦活剤」としての
特許取得に関する記事はこちら
https://www.ori-japan.com/news/results/fpp-atp.html