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社会活動

2025/06/03社会活動

ミツバチさんにもやさしい環境を

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大里研究所では、予防医学を軸に人々の健康増進に取り組むなかで、小さな生き物や環境の"健康"にも目を向けた活動を続けています。
2012年にスタートした「ORI WINE PROJECT」では、高齢化により継続が難しくなった柿畑を活用し、化学肥料や農薬を一切使わない、ビオ(BIO)・ワイン用のブドウを栽培しています。
さらに、ブドウ園と隣接する里山の再生にも取り組み、春先から初夏にかけては、タンポポやシロツメクサが園内一面に咲きほこり、ミツバチやチョウなどの虫たちが集う、にぎやかな憩いの場となっています。

ミツバチは、私たちの食卓にも深く関わる、小さくも力強い存在です。
農作物の収穫において「花粉を運び、受粉を助ける」という、自然の中でとても重要な役割を担っています。
2011年の国連環境計画(UNEP)では、世界の食糧の90%をまかなう100種類の作物のうち、70種類以上がミツバチの力によって受粉されていると報告されています。

かの有名なアインシュタイン博士も、「ミツバチがいなくなれば、人類は4年以内に滅びる」と語ったといわれています。もしミツバチがいなくなってしまったら、植物は受粉できず、野菜や果物は実らなくなります。やがて植物の種類が減り、こうした変化は地球温暖化の加速にもつながると考えられています。
ミツバチは自然と人間社会のバランスを支える大切な存在なのです。

近年では、ミツバチの異常行動や大量死が世界的に問題となっています。
その大きな原因のひとつと考えられているのが、農薬の影響です。
一方で、人間社会においても、大気や水といった環境の影響による体調不良などが生じる「環境病」という言葉を耳にするようになりました。ミツバチが安心して飛び交える世界を守ることは、めぐりめぐって私たちの健康や暮らしを守ることにもつながるのかもしれません。

大里研究所ではこれまでも、敷地内のバラや柑橘類をはじめ、植栽を無農薬で丁寧に管理してきました。
柑橘の木々にはアゲハ蝶たちがひらひらと集い、すぐそばを流れる水路では、毎年たくさんのホタルが幻想的な光を灯し飛び交います。また、垣根として植えたプリベットの花には、たくさんのミツバチたちが訪れ、にぎやかな羽音が聞こえてきます。

大里研究所が取り組む、ミツバチをはじめとする昆虫たちに配慮した植栽管理やBIOによるブドウ栽培、そして里山再生の活動は、昆虫たちの住処を守るだけでなく、人間の暮らしや環境を守ることにもつながります。
それは、私たちがめざす"予防医学"のひとつの形でもあると考えています。
これからも、今まで以上にたくさんの生き物たちが訪れ、人にとっても心地よい場所となるよう、活動を続けてまいります。

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ORIガーデンのプリベットやクリスマスローズの花々に来てくれるミツバチ