大里研究所とアストンマーティンレーシングの関係について
2005年アストンマーティンがル・マンにカムバックして以来大里研究所は、アストンマーティンレーシングのオフィシャルパートナーとしてImmun' Âge(FPP:パパイヤ発酵食品)によってドライバーの健康を提供してきた。目的はレース中のドライバーの酸化ストレスを防ぎ、DNAダメージを減少させることにある。しかしこれらの測定は、血液サンプルであれば可能であったが、レース中ドライバーからの採血は無理であった。グルノーブル大学との共同研究で、尿からの測定が可能になり、2007年ル・マンの24時間レースにてDBR9 009のドライバーと研究を実施。結果はアストンマーティン48年ぶりの優勝とともに2名のFPP摂取ドライバー(Brabham、Turner)は、DNAダメージを減少させているデータを確証した。通常24時間レースの翌日は、脳の働きが悪く、車の運転は不可能であるが、両名のドライバーは、家族をのせて自らの運転で帰路についた。
2008年のル・マン24時間レースは、カーナンバー009のドライバー・ピットクルーも含め全員FPPを服用したため比較測定ができなかったが、ドライバー・車・チームメンバーがひとつになり2年連続優勝という偉業が達成された。
文責:林 幸泰
3つどの指標においても、2名のFPP摂取ドライバーにおいてFPPを摂取しないドライバーとの間に有意に酸化ストレスを防いだという結果が得られた。
酸化ストレスのマーカー
カルボニル
カルボニルは体内の栄養や構成成分である糖、脂質、アミノ酸が酸化ストレス等の影響により変化したもので、非常に不安定で、蛋白と反応してしまいます。その結果蛋白の正常な機能が失われて障害を引き起こすと考えられます。現在までの研究でカルボニルは糖尿病、動脈硬化、腎不全、アルツハイマー病といった多くの疾患に関与することが示唆されています。
マロンジアルデヒド(MDA)
マロンジアルデヒド(MDA)は代表的な脂質過酸化生成物の一つです。リノール酸やリノレン酸をはじめ、さらに多くの二重結合をもつアラキドン酸や魚油中のDHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸は、活性酸素やフリーレジカルなどによる酸化ストレスを受けると脂肪過酸化反応が誘導されます。
その結果、連鎖反応とよばれるフリーラジカル反応が起こり多種多様な資質過酸化生成物が生じます。なかでもアルデヒド基を二つもつMDAのような反応性が高いアルデヒド類は、油脂の酸化劣化に関与するとともに生体障害の原因物質として大きな注目が集められます。
チオバルビツール酸反応性物質(TBARS)
チオバルビツール酸反応物質(Thiobarbituric Acid Reactive Substances 、TBARS)は、脂質過酸化反応のスクリーニングとモニタリングで用いられている物質です。TBARSはマロンジアルデヒドを含む低分子量物質で脂質過酸化物の分解過程で生成されます。チオバルビツール酸が過酸化脂質や過酸化アルデヒドまたはマロンジアルデヒドと反応して反応物質が形成され、吸光光度計や蛍光光度計で測定出来ます。